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2010年5月20日 (木)

戸田奈津子さん講演会(その1:字幕翻訳の世界)

今日は(といっても、日付が変わったので昨日ですが・・・)、字幕翻訳家として第一線で活躍されている戸田奈津子さんの講演会に行ってきましたhappy01

私は、戸田奈津子さんの字幕翻訳が大好きで、かねてから、一度お会いしたいと思っていたのですが、今回なんと、私の母校である、同志社女子大学の京田辺キャンパスで行われ、一般も参加可能(しかも無料!)だったので、めちゃくちゃラッキーでしたheart04 

これも、リコネ効果に違いないscissors

だって、この講演会を見つけたのは、つい2~3日前、卒業生対象のメールマガジンにて。

毎日、メールが山のように来るので、基本、DMは読まずに捨てるのですが、やっぱり、必要な情報はちゃんとキャッチできるようになっているのですね~。

しかもしかも、早めに着いたので、開場前の一番前に並び、最前列のど真ん中で講演会を聞く事ができましたheart01


さて、この講演会の内容を楽しみにされている方もいらっしゃるので、シェアしますね~heart04


まず、字幕翻訳の世界について。


字幕翻訳家としての職は、「狭き門」どころではなく、「門すらない」そうです。分厚く高い「壁」がそびえ立っているとのこと。

戸田奈津子さんは、映画が大好きで、大学時代は、授業をサボって、映画ばかり観に行っていたそうです。そして、進路を決めるときに、自分の大好きな「映画」と、自分が習った「英語」を活かせるための道として、字幕翻訳家を目指したそうなのですが、当時は完全な男性社会。そして「門」はなく、壁に覆われ、入ろうにも入れない、閉鎖された世界だそうで、この世界に入るのに、20年待ったそうです。


(だから、現役大学生へのアドバイスで「世の中、甘くないわよ~。自分のしたい仕事はそう簡単にさせてもらえないわよ。」とhappy01

転機が訪れたのは、卒業して約10年後のこと。

初めて、「記者会見通訳」のアルバイトのチャンスがやってきたそうです。

ハリウッドスターが来日し、記者会見することになったそうなのですが、当時は、そんな事はめったにない事でした。映画関係者も誰一人として英語を話せる人はなく、パニック状態だったそうです。

そこで、戸田奈津子さんに白羽の矢が立ったのでした。

でも、戸田さんは、英会話をした事がなく、断ったらしいのですが、他に出来る方がいらっしゃらなくて、なんとか挑戦することに。ご自身でも「それはもう、ひどい通訳でした」と仰ってました。あまりにもひどい通訳だったので、もう次は無いと思っていたら、次に別の方が来日された時の記者会見でも、また戸田さんに依頼がありました。

映画の話題なので、映画に関しては豊富な知識があった戸田さんですから、ご自身では「ひどい通訳」と思われていても、何とかなっていて、当時にしたら、戸田さん以上の適任者はいなかったのでしょうね。


さて、一口に映画の翻訳といっても、「吹替え翻訳」と「字幕翻訳」は、全く異なる分野の専門職なんだそうです。


「字幕翻訳」は、セリフの秒数にあわせて、日本語の文字数が決まります。

だいたい、1秒に3文字だそうです。

だから、例えば、"I met Margaret in San Francisco last year." (私は昨年サンフランシスコでマーガレットに会いました)という文章なら、口頭で3秒くらい。ということは、10字以内に収めないといけないので、「サンフランシスコ」なんて書いてられないし、「マーガレット」も書いてられない。


だからこそ、字幕には意訳が多いのですが、戸田奈津子さんの翻訳は、この文字数の制限を考えて、本当に最適な意訳を当てはめられている、プロ中のプロだと私は思います。

他の翻訳家の方とは全然違います。

(ちなみに、英語を勉強するには、日本語字幕ではなく、英語字幕で見るのが良い理由は、ここにあります。日本語字幕は、かならずしも、英語で言ってる内容と等しいわけではないからです。)


一本の映画を翻訳するのに、1週間から10日くらいで仕上げるそうです。

その間、戸田さんは、全ての人の役になりきって、作業を進めていくそうです。

1週間~10日ごとに、全く違う映画の世界に入り込むわけですから、それ自体が、戸田さんにとっての気分転換になるとのこと。

俳優なら、一人の役になりきるだけだけど、翻訳家は、映画全員分の役になりきって、しかも映画ごとに違う世界を味わえるから、それが醍醐味なんだそうです。


「字幕翻訳家」がセリフの長さで日本語の文字数を決める翻訳なら、「吹替え翻訳家」はどうかというと、俳優の口の動きに合わせて翻訳するそうです。

特に、破裂音(ぱぴぷぺぽ、ばびぶべぼ)などの、口を閉じる音の時に、日本語でもその単語をその場所に使うように考えて言葉を選んだりするそうです。

戸田さんもお手伝いしたことがあるそうですが、戸田さん自身は、「私は字幕翻訳向きだと思う」と仰ってました。

それから、一番難しいのは、やはり「コメディ」だそうです。

辛さや悲しみは万国共通(例えば、人が亡くなった時とか)なのですが、「笑い」というのは、文化の上に築き上げられるそうで、字数制限のある翻訳で「笑い」まで翻訳するのは至難の業。だからこそ、映画館で、「ネイティブだけ笑って日本人がシラ~」っていう事もよくある事だし、それを翻訳家のせいにするのは、酷な話なんですねhappy01

(これは、日本国内でも、育ったところと違う地方に住んだ経験のある方ならわかるはず。ローカルTV見て、地元人にはウケるのに、笑いのツボがわからない・・・ってこと、結構あるんです。)

長くなるので、続きは次回♪

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